令和元年を迎え、『全国縦断感謝の旅』と題して全国のチャプタートーナメントやローカルJBプロトーナメントの会場を回り始めました。地域毎にバスフィッシングを取り巻く環境が異なる中で、しっかりと地域に根付いた活動を継続している運営スタッフならびに、各地のJB・NBC支援者の皆様に改めて感謝致します。
バスフィッシングが好きな仲間が集い、フィールドを大切に守りながらバストーナメントを楽しみ、そして釣りを通じて地域に貢献していくことがチャプターの使命です。チャプターが発足して30周年を迎えましたが、今後も地域と一体となってますます充実した活動を期待しています。
感謝の旅ですべての地域を伺うには5年ぐらいの期間を要しますが、これまでお世話になった方々にお会いして感謝の気持ちを伝えていく所存です。また、各地域の釣り場環境の現状や活動計画、抱えておられる問題等がありましたら、お会いした際に地域の声としてお聞かせください。
1つのチャプターに伺うだけでも時間と労力を要しますが、今春からスタートしたJB・NBC動画配信サービス『Go! Go! NBC!』で全国のチャプターの活動を手軽にスマートフォンで見られるようになりました。『Go! Go! NBC!』は釣り・グルメ・観光・環境保全をテーマにしたインターネットメディアで、今後はライブ配信に取り組みながら、よりタイムリーな情報を提供できるように運営態勢を強化していきます。
なお、現在動画配信に利用しているYouTubeにて長時間のライブ配信を行うためには、規定により一定数の視聴者数が必要となりますので、YouTubeでの『Go! Go! NBC! TV』のチャンネル登録をお願いします。
IT関連のニュースでも5G(次世代通信)回線が話題になることが多くなりましたが、来年にもこれまでの100倍といわれる高速通信サービスがスタートすると言われています。より多くの方々に『Go! Go! NBC!』の動画をお楽しみいただき、釣行や観光に役立つメディアとして成長させていくために、皆様のご協力をお願い致します。
NBCチャプターは1989年(平成元年)に愛媛から活動が始まりました。今年の春から新元号にきりかわりますが、これまでは平成とともに歩んできた30年でした。平成元年は河口湖のブラックバスが漁業権魚種に指定された年でもあり、当時を振り返れば魚種認定とチャプターの活動が大きな歯車となってその後のバスフィッシングの普及に結び付いたように思います。
90年代に入ってチャプターは毎年活動地域が増え、バストーナメントの開催によってバスアングラーの輪が全国に広がりました。現在は陸釣りクラブやソルトチャプターを合わせて60ヵ所以上で活動しています。
NBCがバスフィッシング愛好者の全国組織として成長していく過程においては、本部にたくさんの苦情が寄せられました。一般アングラーの違法駐車、迷惑行為、ルール違反なども含め、いろんな問題が多発しました。危機感を募らせた私は積極的に環境保全活動に取り組み、「地域とともに歩む」ことをチャプター運営の基本方針として、地元の方々とのコンセンサスを心がけていただくようチャプター役員の方々に呼びかけました。
釣りは公共の水辺を利用するゲームであり、当然ながらその水域は他の人も利用するし、規模が大きな湖や河川では漁業が営まれ、観光船やレジャーボート、競技ボート等の航路もあります。バストーナメントが始まった当初は湖上の安全対策や駐車場の確保、騒音問題などに苦労されたチャプターが多数ありました。
そうした苦労の時期を地元の方々と話し合って解決してきたからこそ、チャプタートーナメントが30年間続けてこられたと思っています。チャプターの大きな役割の一つは、バスアングラーの代表者としてその水域の管理者や利用者と一緒にローカルルールを作り、その水域の秩序を保ちながら釣りを楽しむ習慣を根付かせることです。
日本のバスフィッシングは成熟期に入り、以前のようなトラブルが多発する状況ではなくなりましたが、チャプター役員諸兄にはこれからも地域とともに歩み、いつまでもバスフィッシングを楽しめる環境を作っていただきますようお願いします。
そして、これまでチャプターの活動を支援してくださった方々に厚く御礼申し上げます。チャプター設立30周年を迎え、地元の協力者に直接お会いして感謝の意を伝え、チャプタースタッフの労をねぎらい、じっくりと地元の声を聞かせていただこうと、今後数年かけて全国のチャプターを表敬訪問する準備をしています。各地のNBC応援団の方々とお会いできることをとても楽しみにしています。
そして、今後のNBC活動計画として、NBCチャプタートーナメントやバスフィッシングが地域振興に少しでも貢献できるよう、動画配信サービス『Go! Go! NBC!』において各チャプター会場を紹介していきます。「釣り場への恩返し」の気持ちで情報を発信していきますので、地元の方々にはぜひご協力をお願い致します。
インターネットやSNS、スマホの普及などで情報の拡散スピードがどんどん早まっています。JBトップ50シリーズのライブ中継も多くの方が視聴し、スマホがあればどこにいても最新の情報を得られる時代になりました。5月に中国で開催された中日韓アジアカップにおいても、会場がスタジオを作り、ライブ中継を行っていました。中国のバスフィッシングはまだ発展途上ですが、ライブ配信においては日本よりも先を進み、メディアの情報発信力でバストーナメントの注目度をさらに高めていました。
NBCは今後、手軽に誰にでも利用してもらえる情報提供に取り組みます。本格的に稼働するのは来シーズンからになりますが、それに先がけて『バスフィッシング・観光・環境』をテーマとしたテレビ番組を選手に協力してもらいながら月に2~3本ペースで2年間番組を制作し、アベマTV、釣りビジョンを通して放送していく予定です。
今月から最初のテレビ番組が放送される予定ですのでお楽しみください。
今後の計画として、河口湖にライブ配信の基地となるスタジオを設け、全国各地で活動するチャプタートーナメントのリポートや、タイムリーなローカル情報を発信していきます。バスフィッシングやバストーナメントの注目度が高まり、開催地域の活性化に繋がることを期待しています。
この情報サービスを強化するにあたり、JB・NBCメンバーの協力が不可欠です。全国ネットで活動するNBCだからこそできるプロジェクトだと考えています。JB・NBCメンバー、協賛企業には制作面でご協力いただくと同時に、この新しく始まるメディアを大いに活用していただけると幸いです。
各チャプターにおかれましては、カメラマンやリポーターの人選、ローカル情報の提供をお願い致します。
また、JB・NBCメンバー限定で希望者は登録することによりこのシステムを利用することが出来ます。
やはりこれからの時代は釣りと観光をリンクさせることがとても大切だと考えています。地域と一緒になってバスフィッシングと観光を盛り上げることができれば、より一層バスアングラーの誘致が進み、釣り場環境の整備も進むと考えています。
また、中国をはじめアジアから日本へのフィッシングツアーが組まれはじめました。海外の釣り人を誘致するのもネットメディアは有効です。『釣り・観光・環境』をキーワードに、一丸となって釣りファンを増やしていきましょう。
NBC日本バスクラブは1989年に7チャプターから活動をスタートしました。今年は30年目のシーズンとなり、NBC陸釣りクラブやソルト、ワカサギチャプターを含めると、全国53地区でシリーズ戦が開催されています。
バスフィッシングを取り巻く環境は地域によって温度差がありますが、バスアングラーを歓迎してくれる地域は少なくありません。芦ノ湖や河口湖などのように第五種共同漁業権免許(内水面の漁業権)が設定されている水域以外においても、バスフィッシングを観光資源と考えている地域があることは、バスアングラーの皆さんには周知の通りです。バスアングラーが遊漁料やそれに準ずる水面利用料、環境整備協力金などを収めている地域も多く、内水面漁業の振興にも貢献しています。
NBCチャプターは釣り場周辺地域の方々とコンセンサスを図り、地域貢献に取り組むことも活動理念の一つです。トーナメントを開催するとなるとたくさんの車やボートが集まります。釣りは公共の水域を利用するレジャーであるため、地域に受け入れられなければ、活動を継続していくことは難しいでしょう。
NBCチャプターが30年目を迎えるにあたり、今年から各チャプタートーナメントと、その地域の観光PRをリンクさせた動画の制作と配信を行うことになりました。もっと多くの方にチャプターのことを知ってもらい、釣り人によって活動地域が活性化することを願っています。また、海外から来日した人も含め、観光客が滞在先で釣りを楽しんでもらえるような環境作りもWFG(ワールドフィッシングガイドサービス)を軸に進めていく所存です。
NBCチャプターのスタッフ、参加者、WFGガイドにおかれましては、動画制作の折にはご協力をお願い致します。 バスフィッシングに限らず、『釣りと観光』をテーマとした取り組みは今後ますます大切になります。少子高齢化が進む中で、よりよい釣り場環境を整備していくためには、やはり釣りファンを増やすことが優先課題になるでしょう
JB・NBCは今年、創立35周年を迎えます。これまでの活動をご支援していただいたスポンサー、NBC協力加盟店、釣り場周辺地域の方々に深く感謝致します。「支援」というよりも、バスフィッシングを盛り上げようと一緒に活動してくださった多くの方々がいたからこそ、ここまで活動を継続できたのでしょう。
また、今年は1989年に活動がスタートしたNBCチャプタートーナメントが30年目のシーズンを迎えます。初年度は東北、北関東、中部、北陸、中部、南近畿、中国、四国の7チャプターでした。その後、チャプターの数は年を追うごとに増え、スポーツとしてのバストーナメントが全国に普及しました。今年はNBC陸釣りクラブ、ソルトやワカサギチャプターも含めると53地区での活動になります。
JBプロトーナメントの影響力はとても大きかったのですが、JB・NBCが全国組織に成長できたのは、しっかりと地域に根付いた活動でバスフィッシングを盛り上げていただいたチャプター役員ならびに選手の皆さんの熱意があったからでしょう。
私は前任者からこの組織の運営を引き受けました。いつの時代も目標を掲げてきましたが、創立30周年を過ぎてからは日本でバスフィッシングがいつまでも安心して楽しめ、業界の発展のためにJB・NBCが何をすべきかを意識するようになりました。それは国内のバスフィッシングが十分に成熟したからです。
私は周囲の人に「35周年は何もしないから」と言ってきました。これまで節目の年にはセレモニーを催してきましたが、今回は何も考えていません。
「何もしない」というのはセレモニー的なことであって、将来に向けて中長期的なビジョンを描き、さらに前進できるようにアクションを起こしていきたいと考えています。
その一つがアジア地域のバスフィッシング普及活動です。釣り文化の違いや地政学的な理由で調整が難しい国際大会ですが、今年は5月に『日中韓アジアバスプロCUP』を中国で開催する運びとなりました。中国はGDPで世界第2位の経済大国に成長しましたが、日本や韓国のようにまだしっかりとした釣り文化が根付いていません。中国は釣り具のマーケットとしてもとても魅力的だし、バスフィッシングに限らずこの国で釣りが普及すればアジアにおいてレジャーとしての釣りの地位が高まり、釣り具業界もその恩恵を享受できるでしょう。釣りの先進国として、まずはバストーナメントを通じて日本から中国の釣り界発展を支援していきたく考えています。
また、外需頼みだけでは日本の釣り界に将来はありません。来年からJB入鹿池シリーズが始まりますが、バスフィシングを盛り上げたい地域の方々と連携して釣り環境の整備に努めます。釣りファン作りも欠かせない活動の一つなので、全国縦断チャリティつり祭りや岸釣りイベントなども充実させていきます。5年先の40周年を迎えたときに、今以上に釣り界が発展していることを願っています。
今年のジャパンスーパーバスクラシックはJB・NBC本部がある河口湖が会場でした。この数年の河口湖はワカサギが豊漁で、冬場も賑わいを見せています。ドーム船などを新造する計画も持ち上がり、関係者は毎シーズン安定して釣れ続いてくれることを願っています。
日本の内水面漁業は釣り人の減少や魚資源の枯渇、そして漁業従事者の減少や高齢化で良好な漁場管理が難しくなってきた地域が増えたと聞いています。漁協の活動資金となる遊漁料収入を少しでも高めるためには、釣り対象魚を増やすことは有効な手段です。日本の内水面漁業は複数の釣り対象魚が必要といえるでしょう。
河口湖の場合は漁協がブラックバスの第五種共同漁業権免許を受けているので、ブラックバス・ワカサギ・ヘラブナ・コイなどが主な釣り対象魚となっています。特にバスフィッシングはブームのころと比べると愛好者の数が減少しましたが、今なおブラックバスは河口湖において大切な益魚となっています。
バスフィッシングの将来を考えた場合、河口湖をはじめその他の第五種免許を受けた湖(芦ノ湖・山中湖・西湖)の存在はとても大きいと思っています。それはブラックバスを有効利用するためのモデルケースになり得るからです。今回、クラシックの会場を河口湖に決めたのも、漁業権がある釣り場を再度盛り上げたいと考えたからです。
ブラックバスに関しては漁業権の対象になっていない釣り場がほとんどですが、ブラックバスに頼った漁場管理や、この魚を有効利用したいと考えている地域が全国的にかなりあることはバスフィッシングファンならご存知でしょう。
釣り場の近くにお住まいの方でも、釣りに興味がなければブラックバスのことをよく知らないという方がほとんどです。NBCチャプターは全国各地で活動をしていますので、ブラックバスやバスフィッシングへの理解を深めていくためにも、漁協や観光協会、商工会など地域の方々と連携を取りながら活動することはとても意義があることです。地域によって温度差はあるでしょうが、一人でも多くの理解者が増えることを願っています。
昨年からインターネットによるJBプロトーナメントの生中継が始まりました。JBプロトーナメントがスタートしたときはまだ携帯電話すらなかった時代ですので、昨今の情報伝達スピードには驚かされるばかりです。
スマートフォンが普及し、誰もがSNSで情報を発信できる時代になったのですから、今後はやはり速報性だけではなく、視聴者を惹き付ける臨場感溢れる放送を期待しています。
私自身もトーナメント会場へ出向くことが少なくなりましたので、TOP50シリーズの最終日はスマホで観戦することが多くなりました。私は運営サイドの人間ですので、どうしても一般の観戦者よりも厳しい目で内容をチェックしてしまいます。気付いたことや改善点があればすぐに現場のスタッフに連絡を入れるので、煙たがられているかもしれません。
ただ、生放送には怖さがあります。これまでの番組のように編集作業で不要なシーンをカットできないので、ミスが許されないからです。現場の雰囲気はモニター越しに伝わってこないこともあるので、選手の不適切な言動や行動がバストーナメントのイメージを損ねてしまうこともあり得るからです。
選手は魚を釣り上げることに集中しているので競技中は致し方ないですが、誰もが主役になれるチャンスがあるのがトーナメントの世界です。ウェイイン会場ではカメラ越しにたくさんの視聴者がいることを忘れずに、バスプロらしい立ち居振る舞いで取材に応えていただければ幸いです。
私はバスフィッシングの魅力を伝えることがバスプロの一番の使命だと考えています。特にメディアにはその力があります。若手選手は特に動画の視聴者や雑誌読者を含め、観戦者を楽しませられるバスプロを目指していただきたく、ますますの活躍を期待しています。
バストーナメントが少しでもメジャーなスポーツに近づくことを願っています。
JBワールドプロシリーズがスタートして20周年が経過しました。JBプロトーナメントのトップカテゴリーであるこのシリーズを長年にわたりサポートしてくださったスポンサー各位、各地域で開催のためにご尽力いただいたチャプター役員や地元の方々、毎回熱いリポートを発信してくださるプレス関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
また、ファンの声援があればこそ盛り上がるシリーズですので、会場に足を運んでいただいたギャラリーの存在も忘れてはなりません。業界、地元、メディア、釣り人、そして選手が一緒になって作り上げてきたのがこのトーナメントシリーズだと思っています。
最後に選手の皆さんには、全国トレイルでいつも熱いゲームを繰り広げていただき感謝致します。全国トレイルと言えば聞こえはいいのですが、バスプロの『地方巡業』的な一面も持ち合わせています。その移動にかかる労力は計り知れませんが、それが各地域のファンサービスや、地域活性化の活動につながると考えて全国での開催を継続してきました。
正直なところ、開幕当初からこれほど多くの選手にワールドメンバーへの登録を継続してもらえるとは思っていませんでした。このシリーズの役割を理解し、バスフィッシングへの情熱がなければ長年にわたりワールドメンバーの大役は果たせないでしょう。若いメンバーを育てることは大切ですが、やはりベテランメンバーの存在はこのシリーズに不可欠です。全国トレイルが苦労ではなく、使命だと受け止めていただいたベテラン選手に敬意を表します。
このJBワールドシリーズを企画したのは、ちょうど「バスブーム」と呼ばれた90年代の中ごろでした。このバスフィッシング人気を一過性で終わらせるのではなく、しっかりと我が国にも根付かせたいという思いが強くありました。90年代に入るとバスフィッシングは内水面の釣りを牽引するジャンルとなり、NBCチャプターによる全国ネットワーク計画と、リーダー(バスプロ)を育てる私たちの活動に多くの業界企業が賛同してくれました。
バストーナメントはどこまでいってもマイナースポーツの域を脱することはできないかもしれません。ただ、ルアーやタックルの開発、プロショップの経営、フィッシングガイドなど、釣りの経験や知識がビジネスに活用でき、プロ選手には恵まれた環境を自分の努力と才能で作り出せるジャンルのスポーツといえるので、これからもワールドメンバーの活躍に期待します。
今年、21年目のスタートを切ったJBワールドTOP50シリーズですが、我が国のバスフィッシングを取り巻く環境と将来を考えたときに、とても楽観視はできない現状です。少子高齢化で釣り人が減少傾向にあることや、バスフィールドが限られ、魚資源の枯渇などの問題があるからです。
今後も多くのバスフィッシングファンから注目され、愛され、必要とされるためには、開催地の選考や開催方式も見直す時期がきていると考えています。ここ数年はJB組織強化委員長の今江克隆選手が開催地の方々と折衝し、日程や会場を決めるうえで調整役を務めてくれました。大変な苦労をかけ、深く感謝致します。その彼からも今後のことも踏まえ、一度選手全体の声を取り入れてほしいという要望がありました。
そこで来シーズンへ向けて、現役ワールドメンバーの皆さんにアンケートを実施し、選手の声を反映して来年度以降のシリーズ戦を組むことにしました。会場選定に関しては、選手の負担が少ないフィールドということも大切ですが、より魅力的なゲームが期待できる会場や、開催地域のバスフィッシングへの理解度なども考慮していただき、リクエストをお願いします。
今年もすでに開幕しているJB・NBCシリーズもありますが、プロもアマも安全には十分に配慮してトーナメントにご参加ください。今シーズンも素晴らしいゲームを期待しています。
私はJB・NBCやヒューマンフィッシングカレッジの運営に携わっている関係で若い釣り人と接する時間が多い方だと思います。ただ、JB・NBCの設立当初と比較すると、若年層の釣り人は大幅に減少しました。ジュニアトーナメントを開催するにあたり、レンタルボートの手配に苦労した時期が懐かしく思います。
正直なところ、少子化が進んでいる現状では釣り人を国内で増やすのは多難だと感じています。それでもヒューマンフィッシングカレッジには毎年釣りの世界で生きていこうとするたくさんの若者が入学してきます。そして、年齢に関係なく釣りほど根強いファンがいるレジャーはないという思いは今も昔もかわりません。
たとえ釣り人口の減少が続いたとしても、いい釣り場環境を残せればと、これまでさまざまな活動に取り組んできました。しかし、釣りを楽しむ環境が時代とともに少しずつ変化しています。特に内水面の場合は全体に管理釣り場化が進んでいます。ここでいう管理釣り場とは、放流事業で資源量をキープしていたり、遊漁料を含む釣り料金で環境整備を行っている釣り場も含んでいます。管理釣り場の場合は収入が減ることで釣り場環境整備に使える予算が減り、環境が悪化して廃業や管理者不在という悪循環に陥るという問題を抱えています。
釣りは自然の中で多くのことを学べ、素晴らしい情操教育につながります。将来の釣り人を育て、フィールドを守っていこうという思いで2年前にスタートしたのが全国縦断チャリティつり祭りです。
このイベントは釣りが初めての方や初心者でも楽しめるということをコンセプトにしています。さらに『チャリティ』としたのは、その収益金により青少年の健全育成や環境保全に励んでおられる組織の活動助成につなげていこうという思いからです。
その活動趣旨に賛同いただいた多くの企業や個人からのご支援で2年目も無事に終了しました。運営スタッフやサポーターの皆さんにボランティアで協力していただいたことで少ない予算で盛大に開催することができました。その余剰金の積立額が300万円を超えました。
他の財団などによる青少年健全育成や環境保全活動の助成金プログラムと比較すればとても小規模ですが、釣りによる活動で社会奉仕することに意義があると考えています。
この基金を有効に活用いただける団体の募集を開始しました。どしどしご応募ください。
JB日本バスプロ協会は今年で創立33年目を迎えました。活動を開始した1980年代は、バスフィッシングのタックル全般に輸入品が占める割合が多かったように記憶しています。その後、バスフィッシングファンが増え、マーケットが広がったことで国産と輸入品のシェアは逆転しました。トーナメントの普及により、クオリティの高いタックルの需要が高まったといえるでしょう。
今、中国はJB創立当初のようにバスフィッシング熱が高まっています。今から14年前、2002年に日中国交正常化30周年を記念して中国から日本へ、そして日本から中国へ100名以上の釣り人のツアーが組まれました。このとき来日した中国釣魚協会のメンバーはまだエサ釣りが主流でした。ゲームフィッシングという概念はまだ根付いておらず、釣りの技量の差から釣り人の交流にはまだまだ時間を要すると思っていました。
しかし、中国の目覚ましい経済発展でさまざまなレジャー施設が普及し、今年6月には上海にディズニーランドがオープンしました。ルアーフィッシングを中心に釣り人も増え、内陸部では貯水池を利用したバスフィッシングのフィールドも整備され始めました。私も数カ所の釣り場を視察に出かけ、これからの10年がとても楽しみになりました。
ただ、バスフィッシングに関してはまだまだ人気先行のようにも感じました。釣り場の規模、数ともに中国の人口や国土の広さを考えるとまだまだ不足しているので、バスフィッシングの今後の普及は釣り場環境次第といえるでしょう。
中国は国土が広く、日本バスクラブとして幾つかの地域や団体と交流を進めていく準備をしています。6月上旬には中国の北京釣魚協会のメンバーが来日しました。今回は河口湖にて日中友好釣り大会を開催し、両団体で今後のパートナーシップを約束する調印式を行いました。中国のバスフィッシングは南部を中心に人気が高まっているので、北部にある北京釣魚協会の釣り場環境整備への取り組みに期待しています。その具体的な釣り場作り計画がまとまった段階で、NBC日本バスクラブとして積極的に支援していきたい考えを会談で伝えました。
そして、これからは日本の釣り人が安全に安心して中国国内で釣りを楽しめる環境も不可欠です。長年のJB・NBCトーナメントで培ってきた運営のノウハウや安全や環境に対する考え方などを中国の運営組織に取り入れてもらいたいと強く願っています。そのことが日中の釣り人交流を加速させる一番の近道だと考えているからです。
これから本格化する日中の釣り人交流。両国の釣り界ならびに釣り具業界の活性化に期待を寄せています。